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162 皆で式場へ
離れても、ジェンとマージはエイプリルと、秋の落ち葉のようにひっきりなしに手紙を取り交わした。 また毎日、電話をかけたりかけられたりした。
前もってエイプリルから村の郵便局に送金と汽車の往復切符が届いたとき、受け取りに行って式に出席する友人たちに分けたのも、この二人だった。 一人ずつにしても多額のお金で、旅の小遣いだけでなく、旅行服とフィリーで着るドレスや男性用正装、アクセサリーなどの費用が含まれているのは明らかだった。
出席者たちはそのお金を、自分だけのためには使わなかった。 サリーの家では一家全員が下着まで新しいのを買ったし、ハウイの両親は新しい靴を手に入れた。 それでもみんなパリッとした格好になって、たっぷりと小遣いを持ち、新調した旅行鞄で駅に集合できたのはめでたいことだ。
東部からこの地へ来たジェンとジョーディを別にすれば、村から出て他所の町へ旅したことがあるのは、エディとマージだけだった。 しかもそのときは両親と一緒で、ただ後をついて行っただけだ。
だから自然と、彼らは二つのグループに分かれた。 ジョーディを頼る男子組と、ジェンを取り巻く女子組だ。 おかげで隣り合わせに座りたかったジョーディとジェンは、席を引き離されてしまった。
全員がまだ高校生ということで、中学の用務係のアルフが付き添いとしてついていくことになった。 これもエイプリルのはからいで、ちゃんと勤め先のゲインズフォード中学校の許可を取り、結婚行進曲をパイプオルガンで弾いてもらう契約を取り付けていた。
グランドラピッズの駅からおよそ千キロを一日半かけて、一行は二日後の昼過ぎにフィリーに到着した。
駅にはエイプリル自身が迎えに来ていた。 また例の護衛と中年婦人が両脇を固めていたものの、エイプリルはおかまいなしに誰彼なく抱きつき、再会を喜び合った。
「みんな来てくれたのね! 出発するときに誰かお腹が痛くなるとか、すっかり忘れて寝坊してしまうとか、終いには大洪水が起こって駅舎が流れちゃうとか、いやな夢ばかり見たから、こうして皆に会えてすごく嬉しいわ!」
「ああもう。 ノアの洪水なんか起こらないわよ」
キャスがいつものようにそっけなく言ったが、その顔にさえ微笑が浮かんでいた。 女子たちが全員手をつないで扇のようになって歩く後ろを、男子組が大荷物を運ぶポーターと連れ立って移動した。
「連中、いつも以上に騒いでるな」
「女子は結婚式が好きだから」
「僕はマージの傍に行きたい。 出発してから二言以上口きいたことないんだぜ」
ハウイがぼやいて、一斉に帽子で叩かれた。 ジョーディもお仕置きに加わったが、内心では自分もジェンと話したくてうずうずしていた。
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